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I hope so.

言葉とデザイン

言葉がなければデザインはできない。なぜなら言葉によって要素の定義づけをしたり、コンテクストを編み出したりすることで、デザインをすることが可能になるからだ。手グセや考えないでやった作業はデザインとは言えない。だからデザイナーにとって言葉はとっても大事なものだ。

また、言葉だけでは不十分なときも往々にしてある。なぜならプロダクトの消費者は言葉によって欲求を正確に表現することができないからだ。患者が症状を語るだけでは医師が病気を特定できないのと同じで、いろいろな手法をもってもっと深くまで問題の原因を探り出すことが、より良いデザインをする上では必要になる。

しかも言葉が示す意味は一定ではない。場所や時間や文脈などによって相対的に意味付けされるものである。たとえば「鬼」という字はいい例だと思う。鬼はツノが生えている妖怪であり、オニはとても/すごいという意味でもあり、中国や古典文学のなかで鬼は幽霊のことを示す。

言葉は大事だ。けれど一義的ではない。そのような状況で僕らは言葉をどういなせばいいのだろうか。

ひとつの解決策をあげるのであれば、言葉の「更新」をする術を身につけるということが必要だ。その時々によって、私たちが想定している言葉を相手のチャンネルに合わせチューニングしていく手法だ。この手法自体も言葉のみで遂行できるとは限らない。図を使ったり、行動を観察することによってより精度を高くして問題点を探すことができる。そしてそこから問題を言葉によって定義し、解決策を言葉をもって設計する。

デザイナーにとって国語は一番大事だと言われることがある。しかし国語だけではユーザーの目線からデザインをすることは時として難しいことがある。そこで必要になるのが言葉のアップデートをすることであり、その手法を学ぶことが良いデザインをするためのもっとも重要なキーのひとつである。